イギリスの自転車購入補助制度 Cycle to Work Scheme of UK

イギリスの自転車購入補助制度　Cycle to Work Scheme of UK

2013/11/29

イギリスの自転車購入補助制度、
Cycle to Work
については、昨年上梓した拙著でも紹介しました。

でも実を言うと、その時はシステムについてよく理解していなくて、
イギリス人や在住日本人にたずねてみても、どうも要領を得ませんでした。

実に言い訳がましいのですが・・・・・。

一発念起、調べなおして、ようやくわかってきました。

その構造は実に簡単で、払った税金などが自転車代金から差し引かれるというもの。
こちらのページに例が出ていますけど、
1年で所得税120ポンド、国民年金保険料72ポンドを支払っている人が
600ポンドの自転車を購入する場合、

600-120-72=408ポンド

となり、192ポンド、実に32％も安く買えるのです。

自転車価格の上限は1000ポンドですが、
ヘルメット、ウェア、ライトなどのアクセサリー類も含まれるので、
なかなかおいしい話です。

これを日本の例に置き換えてみます。
私はサラリーマンではないので給与に対する所得税には疎いのですけど、
こちらの情報によれば、年収400万円の人でも3万600円の所得税を納めているので、
これだけでも、10万円の自転車が7万円弱で購入できる計算です。
さらに国保の保険料も引かれますから、
半額とは言わないまでも、相当安くなりますよね。

先のイギリスの例に戻りますが、
割引後の408ポンドの自転車購入価格は、
買った人が自転車店に払うのではなく、
給与から天引きされる形です。

この制度は1年ごとの更新なので、
408÷12=34
となり、月々34ポンドが天引きされます。

12ヶ月過ぎたあとは、この自転車を市場価格で買い取るか、
雇用者に返すことになります。

この「市場価格」というのがいくらになるのかちょっとわからないのですが、
つまり、この制度で手に入れた自転車は自分のものではなく
所有権は雇用者にあるということのようです。

簡単に言えば「リース」ですかね・・・・・。
日本でも、自動車会社が同じような方法でクルマをリース販売してますよね。

Cycle to Workはあくまで「通勤用」という趣旨なので、
まず雇用者が同意しなければなりません。

そして、私のような個人事業者は対象外で、
日本で言うサラリーマンだけが利用できます。

また、自宅←→駅+駅←→会社と2トリップ自転車を使う人もいるので、
2台まで自転車を入手できます。

この制度で1000ポンド以上するロードバイクをかなり安くゲットした、
イケメン広告代理店マン、ロブ・ドウガンさん。

昨年、ロンドンでインタビューさせていただきました。
拙著『自転車が街を変える』でも写真を掲載したかったのですが、
スペースの都合でできませんでした。

残念ながら彼女アリ（笑）で、
休日はその彼女とサイクリングに出かけるのだとか。
よいなぁ・・・・・。

この制度、素晴らしいとは思うのですけど、
通勤手当が出ないイギリスでこそ機能しているんでしょう。

格安で自転車が入手でき、それで通勤費も浮く、
となれば、誰でも手を出したくなります。

通勤手当が基本的に会社持ちの日本では、
「自転車より鉄道のほうが楽」
となってしまいますよね。