ロンドンの「ボリスバイク」に乗ってみました

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ロンドンに昨年から導入されたレンタサイクル・システム「バークレーズ・サイクルハイヤー」

頭についているバークレーズとはスポンサー企業のバークレー銀行のことですが、
ロンドンでは、このシステム導入を強力に主張したボリス市長の名前を取って
「ボリスバイク」と呼ばれることのほうが多いようです。

昨年7月にロンドンを訪問した時はドッキング・ステーションだけで、
自転車はまだ入っていませんでした。
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一方、ロンドン交通博物館にはシステムをご披露するコーナーが設置されてましたね。
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今年6月、すでに運用が始まったこのボリスバイクに思い切って乗ってみることにしました。

借り出したのは地下鉄グレート・ポートランド・ストリート付近。
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まずは、バス停みたいなステーションで手続きをします。
英語だけでなく、全部で17の言語に対応していました。
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日本語表示もあり。私はもちろんこれを利用します。
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まずアクセスチャージという登録料を支払います。
これにより、一定期間内この自転車を利用することかできるようになります。

アクセスチャージは24時間、1週間、1年間の3種類。
旅行者はとりあえず24時間でいいと思います。
24時間アクセスは1ポンド、支払いにはクレジットカードが必要です。

アクセスチャージ以外に、利用料が別にかかります。
これは時間で決められていて、
30分以内無料、1時間以内1ポンド、2時間6ポンド・・・・・最大は24時間で50ポンドです。

料金の詳細はこちらのページにありますが、ちょっと不合理に見えませんか?
長く使えば使うほど単価が安くなる、というのが一般的かと思いますが、これは逆。
どんどん割高になっていきます。

思うに、このレンタサイクル・システムで想定されている利用者は、
ドッキング・ステーションで借りて目的地まで行ったらすぐに別のステーションに返却。
次の目的地まで行く時に利用するなら、また新たにレンタルする、
というような人なのでしょう。

ちなみに、もし自転車を返せなかったら、300ポンドの罰金です。
この自転車、300ポンドで買えるほどのものなのでしょうか?(笑)


さて、私もドキドキしながら手続きを完了。

いよいよ自転車をドッキング・ステーションから引き出そうとするのですが、引っかかって出てきません。
そこで他の人がやっているのを見学させてもらいました。
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後輪の部分を少し持ち上げて、斜め上に引き抜くようにするみたいです。

「レンタルする」のボタンを押すとラックに緑のランプが点灯するのですが、
そのランプが点灯中(20秒くらい?)に引き抜かないとやり直しです。
最初はちょっと焦るかもしれません。

なんとか引き抜けました。
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一見ママチャリ風の自転車ですが、ギアは内装3速。
かごは付いていませんが、フロントにラックのようなものがあり、小さなカバンはここに載せておけそうです。


サドルを調整して、いよいよロンドンの街中へ。
最終目的地をビクトリア駅付近に設定し、大通りを南へ向かいます。
ところがここはロンドンでも中心の中心。
すごい渋滞になっていました。

東京の道路なら、左端に自転車1台くらい通れるスペースがあるものですが、バスが来ればこんな感じ。
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とてもすり抜けるスペースはありません。

日本なら歩道を走っちゃうのですが、ここでは歩道走行は厳禁。
もっとも、歩道の上を堂々と走っている地元民らしいサイクリストも何人かいました。
もちろん法律的にはアウトのはずですが、
この渋滞に耐え切れず、つい歩道に行っちゃう人が少なくないようです。

バスのあとをのろのろ付いていくようにして、ようやくピカデリーサーカスに到着。
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ここからトラファルガー広場に向かう最短距離の道路は一方通行のため、別の道へ。
自転車も一方通行には従わなくてはいけません。

トラファルガー広場。
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バッキンガム宮殿へと続く道、ザ・マルに指しかかったあたりで雨脚が強くなり、海軍門の下で雨宿り。
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同じようにボリスバイクを借りていた外国人2名がいて、
「このバイク、どこで返せばいいの?」
と聞かれてしまいました。
いや、こちらが聞きたいくらいでして(^^;

小止みになったところで再びペダルを漕ぎ出します。

ザ・マルは、先に行われたロイヤル・ウェディングの残り香が。
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バッキンガム宮殿前あたりで、雨はほとんど止んでくれました。
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ビクトリア駅付近でドッキング・ステーションがどこかわからなかったのですが、
警察官に聞いたらすぐに教えてくれました。
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無事自転車を返せたわけですが、
途中、もし盗られたらどうしよう? 壊したらどうしよう?
などの心配が離れず、緊張しっぱなしでした。

借りていた時間は1時間弱だったはずですけど、
クレジットカードにチャージされていたのはアクセスチャージの1ポンドだけだったので、
少しオマケ(?)してくれたのかもしれません。


□問題点と課題□
●ロンドン中心部の車道走行は危険 車線狭い上に車の通行量が多い中心部で、ルール通り車道走行するのはかなり怖い
 慣れている在住者ならまだしも、昨日、今日ロンドンにやってきた旅行者は恐怖感を感じます。
 一方、歩道はかなり広く取ってある区間も多いので、歩道上のサイクルレーンも検討すべき。

●ドッキング・ステーションの位置がわかりづらい ドッキング・ステーションの場所はサイトに示してありますが、
 事前に調べてプリントアウトしておくか、スマートフォンなどでアクセスしなければいけません。
 旅行者が思いつきで借りようとしても、
 まず借りる場所がわからず、借りたところで返す場所も見当たらない。
 昨年聞いたところでは、ドッキング・ステーションはロンドンに約400ヶ所もあるそうですけど、
 見方によっては、たった400ヶ所のステーションですから、
 町を歩けばそこにステーション、というほどでもないのが現状です。

●カギが付いていない
 この自転車にはカギが付いていません。
 ロンドンでカギをかけずに駐輪などということは考えられませんから、
 とにかくドッキング・ステーションに戻さなくてはいけない。
 途中ちょっと買い物に、とか、コーヒーを一杯、などということができないのです。
 でも、お店の前に駐輪できず、そこから離れたステーションに返さなければいけないというのは不便極まりない。
 前述しましたが、ボリスバイクはステーション→ステーション直行という前提があるようです。
 いずれ書きますが、アイルランドのダブリンにも同じようなレンタサイクルがあって、
 こちらにはチェーンキーが付いていました。


今回、短い時間でしたが実際に利用してみた感想としては、
少なくとも観光エリアで観光客が気軽に利用できるシステムではないということです。

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